42条2項道路Q&A

42条2項道路・みなし道路の幅員規定、公道・私道の定義、セットバック、位置指定道路について初心者向きに解説。

◆セットバック部分の固定資産税の解説

◆セットバック部分の固定資産税負担

◆セットバック部分の土地にかかる固定資産税の納税義務者は?

 セットバックが行われた場合の土地にかかる固定資産税はいったいどうなるのでしょうか?

 例えば自分が所有する土地がありこれからセットバックを行う場合。

 またまだセットバックがなされていない不動産物件があり、購入後にセットバックされることが条件となっている場合。

 どちらも固定資産税の納税義務が生じるのかどうかについて気になるところです。

固定資産税の非課税部分の図

 この答えは結論から言えば「セットバックとして提供した部分の固定資産税の納税義務は一切生じない」ということになります。

 左の図で言えば、セットバックした部分は道路としての認定扱いとなるので非課税となって当然とも言えます。

 安全面の考慮など道路幅員を拡張する必要性は理解できても、やはり身を削るような思いで土地を提供する訳ですからね。

 建築基準法や消防法の規定に沿って行ったセットバック後の土地部分にまで納税義務が生じてしまえば誰も応じなくなってしまいます。

※Point!セットバック部分の納税義務は一切生じない

◆セットバック部分の土地の寄付について

◆セットバック部分の土地の寄付について

 固定資産税は、国税・地方税で分類すると地方税に分類される税金です。

 ですから固定資産税の免除申請は各地方自治体の市役所で手続きを行うことになります。

 申請は個人でも可能ですし、新しく土地を購入するケースの場合は不動産業者側が一切の手続きを完了した状態で引渡しとなるのが通常です。

 但し、この場合は購入前に固定資産税の扱いについて念のため不動産業者に確認を入れておきましょう。

 尚、所有権の扱いは各地方自治体によって扱いが異なります。

 個人所有権のまま道路を管理させるのか?それとも市区町村の管理下におくのかは対象となる物件を管轄する役所に確認するしかありません。

 セットバック部分は保有していても建築面積として参入されない土地ですから市へ所有権も移転して管理してもらいたい場合は、土地の寄付を行う事が可能な地方自治体も多くあります。

 将来買い上げてもらえた場合の利益の可能性はなくなりますが、2項道路の買い上げがなされるケースは中々無いので管理面の負担と合わせて考慮することが大切ですね。

 尚、土地の寄付を受け付けてくれない自治体も多いので寄付を希望する場合もやはり管轄エリアの役所に確認をしてみましょう。

※Point!寄付を受け付けてくれるかどうかは管轄エリアの市町村次第

◆固定資産税の納税義務の免除申請

◆固定資産税の納税義務の免除申請

 現在既にみなし道路(2項道路)に接する物件を所有している場合でまだ手続きを何も行っていない場合。

 このような場合では、セットバックがまだなされていない為、固定資産税の納税義務が生じているケースがあります。

 この場合は、土地の分筆をしっかり行い道路境界線を確定させた状態で申請を行えば、非課税扱いとしてセットバック部分の土地の固定資産税の納税義務が免除されます。

 もし、どうしても分筆登記を行うことができないような場合は、管轄の役所に相談し「非課税申請の手続き手順」を確認しましょう。

 尚、セットバック部分の固定資産税の納税をしてでもセットバックに応じない地主も多いのが実情です。

 これは長年問題に取り上げられてきてはおりますが、簡単に解決できる問題でもありません。

※Point!非課税申請の手続きを忘れずに!

◆資産価値・路線価の向上の可能性

◆資産価値・路線価の向上の可能性

 現実的には前面道路の幅員は資産価値に大きな影響を与えるひとつの要因であり、幅員が確保されれば土地の資産価値はほぼ確実に向上します。

 資産価値が高いと判断されれば年1回発表の路線価の価格も向上する可能性も期待されます。

 しかし、土地の価値は道路幅員以外にも様々な要因が重なり合って相場と価格が決まっていくものです。

 この要因には土地のサイズ、大きさも関与します。

 例えば建蔽率・容積率が「40/80」の60坪の土地があったとします。

 このサイズの土地であれば建築業者が30坪に分割し2つの建売住宅を販売する計画を建てるかもしれません。

 建築可能床面積は24坪ならぎりぎりファミリータイプの物件をプランすることも可能です。

 しかし、60坪の土地が50坪まで減ってしまった場合は、土地が25坪となり建築面積は20坪となります。

 20坪は畳で言えば40畳のサイズ。平米で表すと約66uです。

※豆知識:1坪=たたみ2畳:1坪=3.30578u

 おそらくこのサイズの2階建て物件の建築を検討する業者は半数以下にまで減ることでしょう。

 建築業者はやはり建物の坪単価が大きいほど利益が上がる為です。

 セットバック後の有効面積でしか建築確認が下りない以上、土地が高額な首都圏エリアであれば一棟販売しか検討できなくなる可能性もある為、尚更この問題は深刻です。

 たったひとつの条令の施工で、このように逆に資産価値が目減りしてしまったと感じている地主も多くいます。

 特定行政庁に指定を受けた道路であっても長年にわたって一向に道路の幅員が改善しない要因はこのような地主の思いやささやかな抵抗もあるのかもしれませんね。

〜ポイントのまとめ〜
★セットバック部分の納税義務は一切生じない
★寄付を受け付けてくれるかどうかは管轄エリアの市町村次第
★非課税申請の手続きを忘れずに!
★豆知識:1坪=たたみ2畳:1坪=3.30578u